No. 982022. 12. 05
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マヒドン大学熱帯医学短期研修

  • 愛知県がんセンター感染症内科
  • 伊東 直哉

    タイ王国マヒドン大学熱帯医学短期研修は、3日間で熱帯医学の基本を学べるコースです。医師(内科医、小児科医、総合診療医、感染症医)、看護師などを対象としています。2022年度は3年ぶりに短期研修が再開されます。COVID-19の影響を考え、医師・医学生を対象にオンライン研修と組み合わせて開催予定で、オンライン研修のみの受講も可能です。

    マヒドン大学熱帯医学研修実行委員会 (mahidoltropicalmedicine.com)

    前回の2019年度は40名が参加し、多数のタイ人講師、スタッフ、日本からの実行委員会メンバーの尽力で開催されました。今回は2023年2月6日(月)~8日(水)の3日間の日程で応募されます。

    マヒドン大学熱帯医学部におけるベッドサイドティーチングの風景

    タイの2月は乾季で、日中の平均気温は30℃に達し、半袖で快適に過ごせます。タイ(バンコク)と日本の時差は2時間で、タイまでの飛行時間は6~7時間程度です。会場となるマヒドン大学熱帯医学キャンパスは、ドンムアン空港およびスワンナプーム国際空港から車で30分です。

    熱帯医学領域ではアジアのリーダーと目されるマヒドン大学は教育に力を入れており、ディプロマ、修士のコースには毎年日本人が参加しています。ディプロマコースは半年間とやや長い期間を要しますが、この短期研修はディプロマコースのエッセンスが3日間に凝縮されており、熱帯医学学習の導入として最適です。私は実際に2018年にこの短期研修に参加し、感銘を受け、それまで勤務していた静岡がんセンターを辞めて2019年にディプロマコースに入学しました。月並みな感想ですが、海外で、英語で、興味のある領域を学習できる環境は非常に新鮮で良い経験になります。

    講義、ワークショップは大学の第一線の臨床医、研究者が担当し、実際の病棟ラウンドや顕微鏡を使った消化管寄生虫実習、マラリア診断、ハンセン病の診断・治療など実践的な研修をします。例年、インタラクティブな講義でフロアからの質問、ディスカッションも多く、盛り上がります。また、直接ベッドサイドに行き、患者さんを診られることも魅力です。ある程度の英語力は必要ですが、日本人の講師陣による事前学習、振り返りなどで現地での実習をサポートしてくれます。 興味がある方は、ぜひご応募ください。

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  • 伊東 直哉
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    手感染症――化膿性腱鞘炎を中心に

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