(今号は3週連続で配信します。) 今回のミニレビューは、レプトスピラ症についてです。レプトスピラ症と聞いて、皆さんはどのようなイメージをお持ちでしょうか? 普段の診療ではなじみのない熱帯感染症、輸入感染症といった印象をお持ちの方もいるかもしれません。 東南アジア、アフリカ、南米な…続きを読む
(今号は3週連続で配信します。1号目 2号目) ダニが媒介する疾患とリケッチア感染のreview ズボンをきちんと脱がしてみると、明らかに対称性の分布ではないことが分かった。さらに、左膝周囲の紅斑をよく見ると1か所4~5mm程度の痂皮が見られた(図1)。上級医は野山への入山歴など…続きを読む
(3週連続で配信しています。1号目) 本症例のプロブレムリスト #2.全身性紅斑(体幹部優位の紅丘疹)#3.肝酵素上昇#4.血小板減少 診断に向けて、まずは皮疹からアプローチしていく。皮疹を診察する際は、①部位、分布(体幹中心か四肢末梢優位か、対称性か露出部か)、②並び方・集まり…続きを読む
(今号は、3週連続で配信します。) 症 例 主 訴 発熱、発疹 現病歴 2013年5月の和歌山にて。当院受診5日前より体幹を中心とした紅斑および39℃台の高熱が持続したため、近くの皮膚科医院を受診した。同院で風疹と言われ、解熱剤のみが投与され、しばらく自宅にて経過を見ていたが、ま…続きを読む
(今号は3週連続で配信しています。1号目 2号目) 前回までのまとめ 軽度の糖尿病はあるが、比較的健康な高齢者に発症したListeria による市中細菌性髄膜炎。 症状の発現から細菌性髄膜炎として本格的な抗菌薬治療が開始される前に約2日の期間があり、この間に症状が進行してしまった…続きを読む
(今号は3週連続で配信しています。1号目) 前回までのまとめ 軽度の糖尿病はあるが、比較的健康な高齢者が発熱、嘔吐、意識障害をきたしている。 身体所見上は、髄膜刺激症状がある。 主治医はこのようなプランを考えました。 「身体所見や経過からは、市中発症の細菌性髄膜炎が疑われる」「…続きを読む
(今号は3週連続で配信します。) 症 例 60歳代女性 主 訴 発熱、嘔吐、食欲不振 現病歴 入院2日前、朝より食欲不振、午後になり発熱・嘔吐が出現した。近くの救急病院を受診し、内服薬の処方を受け帰宅した。入院1日前、高熱・嘔吐が持続し夜間に救急搬送された。搬送先の病院でピペ…続きを読む
(今号は3週連続で配信しました。 1号目 2号目) 最後に糞線虫症に関して概説します。 機 序 糞線虫症は、糞線虫(Strongyloides stercoralis )によって引き起こされる蠕虫感染症です。糞線虫は熱帯や亜熱帯地域に広く分布し、日本では九州南部、特に鹿児島や奄美…続きを読む
(今号は3週連続で配信しています。1号目) 私たちは、髄液の細菌・真菌・抗酸菌の各種培養、さらにHSV-PCR、TB-PCR、ADA、クリプトコックス抗原などを追加で提出しました(髄液のグラム染色、抗酸菌染色、墨汁染色は陰性)。当院では当日内にクリプトコックス抗原検査陰性が確認で…続きを読む
(今号は3週連続で配信します。) 患者および主訴 78歳男性。側頭動脈炎としてステロイド投与中の髄膜炎でコンサルト。 (今回の)入院約3年前より、全身に掻痒の強い皮疹(蕁麻疹様紅斑)が出現した。近医(皮膚科)を受診し、内服薬および外用剤使用で改善と増悪を繰り返しながら、入院約1….続きを読む