(今号は3週連続で配信しています。 1号目) ※本症例は、実際の症例を参考に作成した架空のものです。 前回までのまとめ 海外渡航後の発熱患者の診療で必要な問診事項を表1に示す。ここから推定される潜伏期は、タンザニア:19~26日、ケニア:5~18日となる。 渡航先、期間、目的 …続きを読む
(今号は3週連続で配信します。) ※本症例は、実際の症例を参考に作成した架空のものです。 症 例 30歳代女性 主 訴 発熱、悪寒 現病歴 20XX年Y月21日:夜に寒気を自覚した。もともと冷え症なので、シャワーを浴びて温かくして就寝した。 Y月22日:朝には立ち上がれないほど倦…続きを読む
(今号は3週連続で配信しています。 1週目 2週目) 水痘の病態 水痘ウイルス(varicella-Zoster virus)はDNAウイルスで、ヒトの鼻咽腔・口腔粘膜より気道を経由し、咽頭のTリンパ球細胞に侵入して増殖します。十分に増殖するとウイルス血症(一次ウイルス血症)…続きを読む
(今号は3週連続で配信しています。 1週目) 水痘は今も日本では小児の代表的な流行性疾患であり、院内の感染管理対策上、重要な感染症の一つです。空気感染するため、罹患者の陰圧個室での隔離が必要となります。水痘の感染制御を困難にしている理由としては、①発疹が出現して水痘を発症したと…続きを読む
(今号は3週連続で配信します。) 「水痘は最近めっきり減って、診たことない先生も多いのよ。見逃しがないか心配……」 2011年4月、筆者(荘司)はアメリカのサンディエゴで行なわれた、全米感染症財団(National Foundation of Infectious Disea…続きを読む
(今号は3週連続で配信しています。1回目 2回目) 今回の症例は、急性の少関節炎で受診した80歳代女性である。関節液からピロリン酸カルシウム(CPPD)が検出されたとの報告を検査室から受け、偽痛風と診断した。 実は外来でも担当医自身により、関節液のグラム染色が行なわれていた。…続きを読む
(今号は3週連続で配信しています。1回目) 前回の症例をまとめると、急性に発症する少関節炎で受診した80歳代女性である。 ところで、担当医はKANSEN Journalの愛読者であり、No.11「発熱+関節炎へのアプローチ」[1]を覚えていた。それによると、急性の少関節炎の鑑…続きを読む
(今号は3週連続で配信します。) 現病歴 受診1 週間前:自宅で草刈りをしていたところ、右手背にバラのとげが刺さったことを自覚したが、そのまま作業を続けていた。その後、手袋を取ったところ、少し出血が見られていたという。 受診5 日前:全身に筋肉痛を認めた。受診4 日前、右手が腫れ…続きを読む
(今号は3週連続で配信しました。1回目 2回目) 前回(第2回)でのクリプトコッカス髄膜炎の診断に引き続き、今回(第3回)は治療について述べていきたい。 クリプトコッカス髄膜炎における治療のポイントは3つあり、①適切な抗真菌薬の選択②髄液圧の管理③免疫抑制状態をきたす原因疾患の…続きを読む
(今号は3週連続で配信しています。1回目) 「慢性髄膜炎」の中でも真菌によるものとして代表的なのがクリプトコッカス髄膜炎である。約2-3割は免疫正常者に起こるが、圧倒的に抗がん剤やステロイド治療により免疫抑制状態となっている患者に見られる疾患であり、いずれも治療しなければ非常に…続きを読む